簡単なようで難しいこと「人生を楽しむ」
言う間でもなく人生はいろいろで、良い事も悪い事も混在している世界です。そんな中「人生を楽しむ」と言っても、楽しくない事の方が多いと言ってよいくらいなのが人生です。例えばお金持ちの家庭に生まれるか、貧乏な家に生まれるか、或は男性に生まれるか女性に生まれるかなど、一人一人の人生は大部分、自分で選んだわけではない事情によって決定されることがほとんどです。もちろん現代は移動の自由、職業選択の自由、場合によっては国籍離脱の自由までありますから、生まれつきの事情以外の部分では自由意志というものが行使できる条件はそろっています。しかし自由を行使できるからといって、それがそのまま「人生を楽しむ」ことと直結するとは限らないのです。それどころか人生を楽しんでいる人は、却ってさまざまな困難を抱えていたり、苦労している人が多いのが現実です。例えば世界的に成功したスポーツ選手は、ほとんど例外ないく、その実力をつけるためには相当な苦労をしているはずです。つまり彼らは人並みの努力を超えた努力をしたからこそ、現在の姿がある訳です。もちろん人並みの人生を、誇りを持って生きている人もいます。いずれにしても、こうした人々の特徴は、一様に「人生を楽しむ」ことを知っているということです。そして困難なことから逃げず、かつ自分の限界をも自覚した人々だと言うことができます。逆に言えば、困難があればあるほどそれに対して挑戦してきた人生だと言えるのではないでしょうか。そして困難を乗り越えたとき、或は乗り越えられずに挫折したとしても、新たな自分に出会えたことで、大きな喜びを感じるはずなのです。簡単に言えば、私たち人間は、手間を掛けること自体に喜びを感ずる動物なのです。動物園にいる動物は、ある意味幸せかもしれません。しかし生き生きと生きる、或は楽しむということは、例外なく何かの障害を乗り越えることから生まれるのです。その意味で、人生を楽しむことは、ちょっとした発想の転換で出来ることなのです。